むし歯予防に用いるフッ素とは?

近年、日本人のむし歯は減少傾向にありますが、先進国の中でみると、日本人のむし歯は、まだ決して少ないとはいえません。その原因として、フッ素の活用が遅れていることが考えられます。欧米やオーストラリアなどでは、日本より砂糖の消費量は多いのにむし歯人口は少ないことが分かっています。これまで世界で行われた疫学調査の結果、むし歯人口が急激に減った国に共通しているのが、積極的なフッ素の利用でした。

フッ素の働き

①歯の質を丈夫にする
(フルオロアパタイトの形成)
②むし歯菌の働きを弱める
(抗菌作用)
③できはじめのむし歯(CO)を治すことができる
(再石灰化の促進)

フッ素がむし歯を防ぐしくみ

フッ素の主な利用法

・フッ素洗口液によるうがい
(歯科医の処方により行われる)
・歯科医院での高濃度フッ素塗布
(通常年に2〜4回実施する)
・フッ素入り歯磨き剤の利用
(市販の歯磨き剤の約9割にフッ素が入っている/成分表示にモノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ素など明記してある)

乳幼児から老人まですべての患者さんにフッ素は有効ですが、フッ素塗布やフッ素洗口は歯の萌出直後が最も効果的であると考えられています。これは、萌出間もない歯は反応性が高く、歯の表面へのフッ素の取り込み量が大きいからです。また、子供の時にフッ素を取り込んでおくと大人になってもむし歯になりにくい丈夫な歯になると言われています。
いつまでも健康で美しい歯を保つために、かかりつけの歯科医院で定期検診を受けましょう。

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