むし歯予防のためのフッ素歯磨きについて

今、なぜフッ素!?

昔は人生50年で、今は人生80年と言われています。この30年のギャップを埋めること、つまり80才まで健康な歯で暮らせるようにするには、どうしても30年分、歯の寿命を延ばさなければいけません。
そこで、虫歯(う蝕)予防効果が乳歯のみならず成人(永久歯)になってもあり、さらに老人の口腔内の抗菌作用にも有効なフッ化物を使い、8020運動(一生自分の歯で噛めるように)を奨めていこうと歯科医師会では考えています。

フッ素の働き

虫歯は食後、虫歯菌が出す酸の働きによって、歯のエナメル質のカルシウムが溶け出すことで起こります。こうした溶け出しを防ぐ働きをしてくれるのが、フッ素です。口の中にフッ素が供給されると、歯の再石灰化を促して、虫歯ができるのを防いでくれるのです。

フッ素の利用法

前回、フッ素の主な利用法として
・「フッ素洗口」
・「フッ素の歯面塗布」
・「フッ素入り歯磨き剤の使用」

を紹介しました。この三つの方法を組み合わせれば虫歯予防は万全と言えます。しかし、誰でも手軽にフッ素を活用できるものとしては、やはり「フッ素入り歯磨き剤の使用」が一番おすすめです。
今回は「フッ素歯磨き」の具体的な方法とそのコツを説明します。

フッ素歯磨きの方法

まず、フッ素入り歯磨き剤は少なくとも歯ブラシの植毛部分の半分ほどの長さになるくらいの量を使い、フッ素が口の中全体に行き渡るよう、ていねいに磨いてください。歯磨き後は、うがいをしすぎないことが大切です。磨いた後の口の中に、なるべく多くのフッ素が残っていたほうが、虫歯予防には有効です。コップ1/3程度の水を口に含み、三秒ほど軽くブクブクして吐き出せば十分です。
最後に、歯磨きの時間と回数について述べておきます。毎日、三度の食事の後と寝る前に、フッ素入り歯磨き剤で、1回につき3分ほど磨くのが理想ですが、無理な人は、最低でも朝食後と寝る前に時間をかけて磨きましょう。睡眠中は、口の中にフッ素がとどまりやすくなっているので、就寝前の歯磨きの習慣はぜひ欠かさず行ってください。また、口の中に行き渡ったフッ素を長くとどめるためには、フッ素歯磨きをした後は、少なくとも30分ほどは飲食を控えることも心がけましょう。

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