インプラント治療について
インプラント(人工歯根)治療とは?

インプラントは、骨に頑固に結合するチタンなどの材料を使って失った歯を回復する治療です。実際には、ネジのような人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に金属やセラミックの歯を作ります。
一口にインプラントといってもさまざまなシステムがあり、基づく理論や特性、治療法、安全性はそれぞれ異なります。世界中で300種類以上のインプラントがあるといわれていますが、中には安く粗悪な材料を使ったり、まともに研究されていないものもあります。その中で、世界中できちんと研究され、長期的なデータがあるインプラントは数種類しかありません。自身の体内に半永久的に残るものですからきちんとした材料を使う必要があります。
現在主流となっているオッセオインテグレーテッド・インプラントは1952年にスウェーデンのペル・イングヴァール・ブローネマルク博士がチタンと骨が完全に結合することを偶然発見したことから生まれました。博士はその後13年間、綿密な基礎実験と動物実験を重ね、チタンがある一定の条件で骨に埋入された場合、チタンに対する骨の拒否反応は全くといって良いほど起こらず、そればかりかチタンの表面を覆う酸素の膜を通して強い結合が生まれることを確信しました。そして1965年、初めて人工歯根としての臨床応用をスタートし、以来、最も信頼性の高い歯科インプラントとして世界中で使用されています。
ブローネマルクシステムのインプラント療法は、現在30を超える国々で行われています。この40年間で何百万人もの患者さんが治療を受け、快適な生活を手に入れました。1987年に初めて導入された日本では、まだなじみが浅いがかもしれません。しかし、ブローネマルクシステムは世界各国でインプラント治療の代名詞として広く知られており、日本でもほとんどの大学病院で使用されています。しかし、インプラントにも利欠点があり、他の治療との違いをよく検討して治療されることをお勧めします。
インプラントの利点

- しっかり咬むことができるので、生活や仕事の自信が回復する
- 入れ歯のように取り外す必要がなく、形も元の歯に近いので違和感が少ない
- 両隣の健康な歯を削ることなく失った歯を回復できる
- 顎の骨が減るのを防いでくれる(入れ歯を使うと、骨が圧迫されてやせてくる)
- 自分の歯が長持ちする(インプラントがかむ力を負担してくれる)
インプラントの欠点
- 費用がかかる
被せる材料により異なります - 手術が必要です
- 清潔な手術、CT画像などの正確な診断が必要である
- 治療期間がかかる(3カ月〜6カ月程度)
ブリッジの欠点
入れ歯の欠点

- 床や金属のアームがあるので違和感が大きい
- バネをかけた歯に負担がかかり寿命が短くなる
- 咬む力が低い
- 長期間使うと床の部分の顎の骨が吸収してやせてくる
- 取り外しや清掃のため人目が気になる
- 発音が不自然になる場合がある