顎が痛くてお悩みの方へ ~顎関節症について~

顎関節症は女性の方に多く認められます。特に10代後半~40代に多く、顎を動かすと関節が痛んだり、変な音がしたりします。重症になると、口が1cm程度しか開かなくなったり、強い痛みのため硬いものを噛めなくなったりします。
顎を開けるとコキコキ、ジャリジャリと音がしたり、口が開きにくい場合、顎関節の関節円板という軟骨がズレている事が多く、痛みを伴う場合には治療が必要になります。

こんな症状があったら…顎関節症を疑う

何も自覚症状がないという人でも、実は顎関節症が潜んでいることが少なくありません。あなたのあごの状態を次の項目でチェックしてください。どれか複数を訴える場合、顎関節症が最も疑われます。

口を大きく開けられない(開口障害)
あごが痛い(関節痛)
あごが疲れやすい(筋肉痛)
あごを動かすと音がする(関節雑音)

顎関節の動き

正常な場合
口を開けるときに関節の軟骨は、顎の骨と連動してスムーズに動きます。

障害のある場合
関節の軟骨がズレているため、音がしたり、口を開けるときにひっかかったりします。

関節の軟骨のズレが大きくなると…
関節の軟骨のズレが大きくなると、つっかえて、口が少ししか開かなくなります。

顎関節症の原因は?

いろいろな因子が積み重なり、あごの耐久限界を超えたときに顎関節症が発症します。

(原因1) あごにかかる過剰な力「歯ぎしり」「くいしばり」

顎関節症の患者さんの多くに共通してみられるのが「歯ぎしり」と「くいしばり」です。
「歯ぎしり」や「くいしばり」は、咀嚼筋の緊張を引き起こし、関節に過度の負担をかけます。

歯ぎしり
歯ぎしりは寝ている間にしているので、本人は気づいていないことがほとんどです。音のする歯ぎしりは20%程度で、80%は音のしない歯ぎしりです。自覚はなくても歯ぎしりによる歯のすり減りが見られるケースが多くあります。

くいしばり
日中や寝ているときに無意識に行っているのがくいしばりです。特にイライラしたり、仕事に集中しているときなどに無意識に行っています。

(原因2) 精神面からの負担「ストレス」

過剰なストレスも原因の一つです。仕事や家庭、人間関係などでストレスを抱え、精神的な緊張を強いられると、無意識のうちにくいしばりをしたり、肩や首、顔の筋肉を過度に緊張させてしまいます。また、睡眠障害も引き起こし、睡眠中のくいしばり、歯ぎしりの原因にもなります。

(原因3) 癖による負担「偏咀嚼」「うつ伏せ寝」「頬杖」

日常の癖も顎関節症の原因になることがあります。例えば、入れ歯を使わずにいつも片側の歯だけで物を噛む偏咀嚼。眠るときにうつ伏せに寝る習慣。無意識のうちに頬杖をつくなど、日常の習慣も筋肉や関節に負担を蓄積させることになります。

(原因4) その他

硬い物を無理して噛んだりした場合も起こる事があります。

顎関節症の治療方法

薬物療法
症状の程度や進行状況に応じて、消炎鎮痛剤・筋緊張緩和剤・精神安定剤を処方します。

理学療法
ソフトレーザー、赤外線治療、患部のマッサージ、ストレッチ、温熱療法(ホットパック)などで、筋肉の進展、血行促進を促します。

スプリント療法
歯に透明なマウスピースをつけます。この装置を装着する事で、顎関節症の全般的症状改善に有効です。筋肉の緊張をほぐし、睡眠時の歯ぎしりや食いしばりによる顎の関節の負担を軽減します。

顎関節腔洗浄療法
パンピングマニュピレーション
比較的重傷の方への治療法です。関節に麻酔して中を洗浄し、ステロイド剤やヒアルロン酸などの薬剤を関節内に注入します。炎症性物質を洗い流して症状を抑えます。

認知行動療法(セルフケア)
くいしばりや姿勢の悪さなどによる不良生活習慣を認識し意識してもらう事で改善します。つまり、変な『くせ』を改善することで症状を抑えるという単純なことのようですが、患者さんにとって、身体的には負担が少ない治療法です。

噛み合わせ治療
歯並び矯正治療、親知らずの抜歯、合わない冠や入れ歯の調整を行います。

観血的療法
いわゆる外科手術です。難治性で重度の癒着や骨の変形など、非常に稀ですが外科的な処置をする事があります。

気になる症状はお気軽にご相談ください

顎の関節に違和感があったり、口が充分開けられなくなったりしたときは、早めにかかりつけの歯科医院で受診されることをおすすめいたします。
そのままにしておくと稀に、顎関節の軟骨のズレによる急性のクローズドロック(急に口が途中までしか開かなくなる状態)になることがあり、その場合は早くズレを戻してあげることが肝心です。放置しておくと元に戻すのが難しくなる事があります。この場合、パンピングマニュピレーションという治療法が最も効果があります。顎関節の治療はほとんど健康保険が適用されますし、お薬とマウスピースだけでかなり改善します。
歯科医院で、お気軽にお尋ねください。

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