顎の痛みに対する治療法について

顎関節症は女性の方に多く認めれます。特に10代後半から40代に多く、顎を動かすと関節が痛んだり、変な音がしたりします。重症になると、口が1センチ程度しか開かなくなったり、強い痛みのため硬いものを噛めなくなったりします。口を開けるとコキコキ、ジャリジャリと音がしたり、口が開きにくい場合、関節の軟骨がズレていたり変形している場合が多く、痛みを伴う場合には治療が必要になります。

顎関節の動き

●正常な場合
正常な顎関節では頭の骨と顎の骨の間に関節円板という軟骨があり口を開ける時に顎の骨と連動してスムースに動きます。またその間に介在する関節液は軟骨の成分の1つであるヒアルロン酸を含んだ粘りのある液体で、顎関節がスムースに動く潤滑油と軟骨の栄養の役割をしています。(図1)

●障害のある場合
軽度の場合
関節の軟骨がズレているため、音がしたり、口を開ける時にひっかかったりします。(図2)
重度の場合(変形性顎関節症)
進行期の変形性顎関節症では、軟骨の摩耗や変形、穿孔が起こり関節の土台の骨(軟骨下骨)が露出したり骨棘といった骨そのものの変形が生じたりします。この状態では、顎を動かしたり噛んだりするたびに硬い骨同士が直接ぶつかり合うため強い痛みを生じ、開口量も制限され日常生活において大きな障害となります。(図3)

痛みに対する治療法としてはマウスピースを使って顎の負担を軽くしたり、内服のお薬で炎症を取ったりします。比較的重度の方では顎関節洗浄療法やパンピングマニュピレーションといった方法が行われます。関節に麻酔をして関節の中を洗浄し、ヒアルロン酸やステロイド剤などの薬剤を注入します。炎症性物質を洗い流し、減少したヒアルロン酸を補充します。

薬物療法の種類

●関節内注射
ヒアルロン酸
軟骨の成分のひとつであるヒアルロン酸を人工的に作った製剤で、顎の関節内に直接注入することにより、軟骨の修復を促して関節痛が改善され、顎の動きを滑らかにします。穏やかな効き目で、定期的に注入できるのが利点です。基礎的な研究では、ヒアルロン酸の注入により関節の動きが大きくなることや、実際に関節軟骨が修復されていくことが確認されています。
ステロイド剤
強い炎症を抑える目的で用いられることがあります。即効性があり、内服薬で改善しない関節炎に対してステロイド剤を注入すると劇的に症状がよくなることがあります。感染やステロイド剤そのものの副作用があるため、複数回行う事はできません。

●内服薬
非ステロイド系消炎鎮痛剤
いわゆる「痛み止め」とわれる薬のことで、正しくは関節炎などの炎症を治すことで痛みを和らげる作用をもっています。副作用として胃が荒れやすいという欠点があります。

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